余yoteki滴 2016年8月28日

「ねこのふわふわ」

– ちいさなさかな –

 

砂漠の中に、小さなオアシスがあって、

ちいさなさかなが、

住んでいました。

 

或る日、神さまがそっと散歩されて、

井戸の脇を通られました。

 

ちいさなさかなは、神さまに申し上げました。

 

「神さま、私はちいさなさかなです。

誰からも、たよりにされることがありません。

ひとりぼっちで、誰かに何かしてあげることもなく、

このままなのでしょうか?」

 

と。

 

神さまは、ちいさなさかなに言いました。

 

「ちいさなさかな。

あなたは、たくさんのものたちから、たよりにされていますよ。

安心しなさい」

 

ちいさなさかな。よく判りませんでした。でも、

 

少しだけ安心して、そして、

 

毎日、井戸のそばに誰かが来ると、

井戸の中で、ぴちゃん、と小さくはねて、

井戸に水があることを、知らせています。

 

(2007年5月6日の礼拝での「こどもの祝福」より)