「ねこのふわふわ」
– ちいさなさかな –
砂漠の中に、小さなオアシスがあって、
ちいさなさかなが、
住んでいました。
或る日、神さまがそっと散歩されて、
井戸の脇を通られました。
ちいさなさかなは、神さまに申し上げました。
「神さま、私はちいさなさかなです。
誰からも、たよりにされることがありません。
ひとりぼっちで、誰かに何かしてあげることもなく、
このままなのでしょうか?」
と。
神さまは、ちいさなさかなに言いました。
「ちいさなさかな。
あなたは、たくさんのものたちから、たよりにされていますよ。
安心しなさい」
ちいさなさかな。よく判りませんでした。でも、
少しだけ安心して、そして、
毎日、井戸のそばに誰かが来ると、
井戸の中で、ぴちゃん、と小さくはねて、
井戸に水があることを、知らせています。
(2007年5月6日の礼拝での「こどもの祝福」より)