余 yoteki 滴

  • 長老任職式について

 

日本キリスト教団の『口語式文』(1959)「役員任職式(就任式)」のルブリック( – 一種のト書きのこと – )には,

「教会役員に選挙された時,任職式(就任式)を行わなければならない。任職式か就任式かの選択は,各個教会に委ねられる」(p.192)

とあります。

伊勢原教会は、メソヂストの系譜に連なる教会です。よって、メソヂスト教会のもってきた職制理解であれば、教会役員は「執事」ないし「幹事」と呼ばれます(日本メソヂスト教会であれば「幹事」)。

 

しかし、現在、私たちは、「長老」を擁する教会として、メソヂスト的な伝統の中を歩んでいます。

では、「長老」とか「執事」とかの違いは何でしょうか。教団の『新しい式文』(1990)の解説には次のように記されています。

役員を長老と呼ぶ教会では「任職式」が用いられてきた。

教会の職制として長老職に任じられ、最初に長老になる時には、長老の按手がなされた。

これは生涯長老であることを意味し、長老として選出されなかった時も、現職と休職の相違はあっても、長老であることは変わらない。そこで、再選の時には報告だけで特に式はしない。

「執事」「幹事」の場合には、長老のように終身その職につくのではないので、「就任式」と呼ぶのが正しい。

 

つまり「任職」とは、その任(務)への召命を意味する,と考えられ,就任( – 一時的にその役割りを担うこと – )とは区別して理解されて来た、ということです。

教会役員を、「長老」と呼ぶか、それとも「執事」「幹事」と呼ぶかは、些細なこと、ではなく、教会論というものによって示されている職制理解というものが、その内側にある、ということです。

 

そして『式文』では,その「任職の辞」において,牧師は,教会とキリストとを代理して,選ばれた役員(長老)にこう確信をもって宣言するのです。

「あなた(がた)は,キリストの召を受けてこの務に聖別されたのでありますから,(主は)これから後も,必要な恵みと知恵とを与えてくださいます」と。

私たちは、2008年以来の長老任職式に今日、立ち会います。

(2019/04/21週報掲載)

 

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