ユダの町に行った
(ルカによる福音書 1 章 39 節)
マリアは、駆け出して行く。きっと誰にも知られない内に。誰にも咎められない内に。マリアが駆け出して行く先を、ルカによる福音書は「ユダの町」と記す。マリアは、ヨセフのところではなく「ユダの町」へと行く。マリアは自分の身の変化を知っている。そして、エリサベトのところに駆けて行く。身の中で起こっている奇跡を確かめに。御言によって新しくされる、ということは、古い出会いにこだわることをやめる、ということ。御言によって新しくされる、ということは、御言を聞いて新しくされた人との出会いを切に望むということ。だからマリアは駆けて行く。人生を賭けて駆けて行く。それにしてもマリアは、この時、「男は頼りにならない」と即断している。ヨセフだって御言葉を聞いているのに。ヨセフだって、御言葉の前に立っているのに。マリアは、自分と同じように今、御言葉を生きているエリサベトのところに走って行く。
(2108/12/23週報掲載)