余滴(2009年2月1日)

「主よ,わたしたちにも祈りを教えてください」
(ルカによる福音書11章1節)

ある時,ペトロさんがイエスさまに,友達のためには何をしたらいいでしょうか,と尋ねました。ペトロさんは,きっとこんな風に考えていたのかもしれません。それは,「友達のために何をしたらいいですか」とイエスさまにお尋ねすると,イエスさまが,
泣いている友達と一緒に泣いてあげるといいよ,とか,
うれしそうにしている友達には,なにかいいことがあったの,と聞いてあげるといいよ,とか,
そういうイエスさまのお言葉を,思い描いていたのかも知れません。
でも,「友達のためには何をしたらいいでしょうか」というペトロさんの質問に,イエスさまは,こうお答えになりました。ちょっと難しいけれど,聖書に書いてある通りに言います。イエスさまは,こう教えられました。
「友のために自分の命を捨てること,これ以上に大きな愛はない」(ヨハネによる福音書15章13節)。
ペトロさんは,「えー,それは難しい」と思いました。だって,もっとイエスさまは,“こういう時にはこうしたらいいよ”,って教えてくださるものだと思っていましたから。「イエスさま,それって難しいと思うんですけれども」,ペトロさんはイエスさまに言いました。だって、“いのちを捨てる”なんてそんなことできませんし。
そうだね,ペトロ。その通りだ。でも,今日,この時間,外で遊ぼうとしているこの時間,自分で自由にできると思っているこの時間,自分のものだと思っているこの時間,この時間を,友達のために使ってみたら。そう,ペトロ。あなたがさっき思っていたように,悲しんでいる友達の隣りにいてあげること,一人ぼっちでいる友達と一緒にいてあげること,そういう風に自分の時間を使ってみたら。そしてその友達のために祈ってあげてみたら。
えー,でもお祈りと言われても,どうやって祈ったらしたらいいか,わかりません。
では,ひとつのお祈りを教えてあげる。
そうイエスさまはおっしゃって,お弟子さんたちに“主の祈り”を教えてくださいました。

天にまします我らの父よ,
ねがわくは み名を あがめさせたまえ。
み国を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく
地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧を,今日も与えたまえ。
我らに罪をおかす者を
我らがゆるすごとく,
我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず,
悪より救い出したまえ。
国とちからと栄えとは
限りなくなんじのものなればなり。アーメン。(1880年訳)

2月には“主の祈り”を覚えます。
もちろん,教会学校に通ってきているお友達はもう知っていると思います。私たちも,イエスさまから“主の祈り”を教わって,そしてお友達のために祈ってあげることのできる一人一人になりたいと思います。
(2009/01/28,幼稚園・会堂礼拝の説教から)